多摩福祉会について
About Us
ご挨拶
初代理事長浦辺先生とこぐま保育園創設
この法人が創立されたのは1972年12月のことです。翌年にこぐま保育園が創設されました。それから50年の歴史をきざんできました。2024年開設のしろくま保育園(練馬区)を含め9施設(5保育所4学童保育)、職員数300名、事業規模およそ15億円の法人へと発展してきました。
創設者の浦辺史(うらべひろし)先生の遺志は今も法人に受け継がれています。先生は、戦前、小学校の訓導(教師)をしていましたが、子どもによりそった実践を進めていたことが治安維持法違反に問われ逮捕されました。65キロあった体重が40キロ以下に激やせし、空の見えない高窓のある獄舎につながれまま敗戦を迎えました。先生は、国のために喜んで命を捧げる人間を育てる皇国主義教育ではなく、芋ひとつの弁当さえ持ってくることができず貧しさのなかにあった子どもたちに心を寄せた実践をしていました。子どもたち一人ひとりの気持ちを大切にする小学校教育をめざしていました。気持ちを素直に表現し想いをひろげる綴り方実践が罪に問われたのです。
私たち多摩福祉会がめざす実践の源流です。国が求める人間像に近づける実践ではありません。教え込んで大人に都合の良い子どもを育てる実践でもありません。子ども同士、子どもと大人が伝えあい個性を花開かせて育ちあう実践です。子どもをまん中にし子どもが大切にされる保育です。戦後、浦辺先生は日本福祉大学で教鞭を執られましたが、その思いを引き継いだ教え子たちがこぐま保育園創立期の実践をきずきました。
子どもたちにゆたかな生活と遊びを保障する
子どもたちは、自らが受け入れられる体験を通して他者を理解します。多様性を受け止め心地よい人間関係をきずくことができます。そうした子どもを育てるには、落ち着いて安定した生活が保障されなければなりません。季節のいろどりゆたかな食材をつかった安全で楽しい食が提供されなければなりません。また、子どもたちがわくわくできる遊びやお散歩、ストーリー性のある探索活動など、発達をみとおした保育計画が作られる必要があります。
こぐま保育園で始められた1歳から年長さんまでの異年齢保育(きょうだいグループ保育)は、こうした生活がベースの子ども同士が育ち合うことができる取り組みの成果です。子どもたちが兄弟のような関係をきずき、大きな子が小さな子に靴をはかせておさんぽにでかける姿、小さな子がおにいちゃんおねえちゃんに憧れる姿は素敵です。学童保育でも小グループ実践が取り組まれ、学年を越えた育ち合いの姿が見られます。
子どもたちを取り巻く社会環境は刻々と変化し続けています。わたしたちの実践もその変化に対応していかなければなりません。子どもをより深く理解し寄りそえる実践を開発していかなければなりません。実践には完成形はありません。実践を総括し他の法人さんの実践にも学びながら新たな保育にチャレンジしていきます。
私たちの法人はみんなのもの 民主的な経営体
多摩福祉会らしい実践を進めていくためには、地域の実態をよくつかむことが必要です。民主的な施設運営が求められます。保護者と子どもの姿を共有し、職員同士で実践を語り合って実践力を高めていかなければなりません。保健、給食、事務、保育の専門分野の連携した実践が求められます。施設相互支援の体制も強化していかなければなりません。
また、施設運営と財政を支え民主的で組織的な法人経営が求められます。私たちの法人は営利を追求しません。権威主義的運営や経営をしません。浦辺先生は、法人経営の世襲や法人の私物化を認めませんでした。多様な意見が認められる法人であってほしいと願っていました。多摩福祉会は、みんなのものです。多摩福祉会は社会の財産です。法人として困難に遭遇し立ち止まる時もあるでしょうが、この法人が頑張らなければ、幸せからこぼれてしまう子どもやご家族がいることを忘れずに実践を深め経営を進化させていきましょう。
理事長 安川信一郎
わたしたちのめざすもの
- 子ども一人ひとりの想いを受け止め、安心してその子らしく育ちあえる保育をめざします。
- 保護者とともに、互いに支えあいながら安心して子育てができる場をめざします。
- すべての職員が、安心して自分らしく働き続けられる民主的な法人をめざします。
- 地域に根ざし、信頼しあい、支えあう関係をめざします。
- すべての人の人権が尊重され幸せに生きられる平和な社会をめざします。